事業承継税制を活用して、株式の贈与税を実質ゼロに|弁護士×税理士によるワンストップ支援の事例

事業承継・相続税でこんなお悩みはありませんか?

  • 会社を子どもに継がせたいけれど、株式の評価額が高くて相続税や贈与税が心配…
  • 事業承継税制という制度があるらしいが、手続きが複雑で何から手をつければいいかわからない
  • 弁護士、税理士、司法書士…結局、何人もの専門家に別々に頼まないといけないの?

この記事では、代々続く製造業のオーナー様から事業承継のご相談をいただき、事業承継税制(非上場株式等の納税猶予の特例)を活用することで、株式の贈与税を実質ゼロにした事例をご紹介します。

弁護士と税理士が連携し、計画策定から認定申請・贈与税申告まで一貫してサポートした対応の流れと、見落とせないポイントも詳しく解説していきます。

目次

ご相談の概要相談事例の概要|製造業オーナーの株式承継と相続税対策

ご依頼いただいたのは、代々続く製造業を営む会社のオーナー様。現社長(先代)からご子息への世代交代を見据え、株式をはじめとする各種資産の承継方法について、ご相談をいただきました。

主なご依頼内容

  • 会社株式および不動産を含む資産全体の棚卸し
  • 「誰に・何を・いつ」承継するかの全体設計
  • 事業承継税制(納税猶予の特例)の活用可否の検討
  • 遺言作成・贈与手続き・登記申請など関連手続きの一括対応

事業承継税制を活用した対応の流れ

STEP 1|株式・不動産の相続税評価と財産目録の作成

最初に取り組んだのは、現社長が保有するすべての財産を「見える化」する財産目録を作成することです。

不動産については路線価等に基づく相続税評価額を算定し、その結果を踏まえて会社株式(非上場株式)の評価を行いました。

STEP 2|承継スキームの設計

資産の全体像が見えたところで、「誰に・何を・どのタイミングで渡すか」を設計していきました。具体的には、以下の選択肢を比較検討しました。

  • 生前贈与(暦年贈与・相続時精算課税)
  • 遺言による遺贈
  • 家族信託の活用

それぞれの税務上・法律上のメリット・デメリットを丁寧にご説明したうえで、ご家族の状況に最も適したスキームを立案しました。

STEP 3|家族会議への同席と後継者・相続人の合意形成

事業承継は、経営者おひとりの問題ではありません。ご家族全員が納得していることが、円滑な承継の大前提です。

本件では、お子様方を交えた家族会議の場に同席し、承継プランの内容を丁寧にご説明しました。現社長のお考えを整理してお伝えするとともに、後継者となるご子息の意見や不安にもしっかり耳を傾け、全員が前向きに合意できる形にまとめていきました。

STEP 4|遺言書作成・生前贈与・不動産登記の実行

ご家族の合意が得られた後は、以下の手続きをワンストップで進めました。

  • 遺言書の作成(公正証書遺言)
  • 生前贈与の実施(一部資産について)
  • 不動産の名義変更(登記手続き)
  • 事業承継税制の申請手続き(後述)

STEP 5|事業承継税制(納税猶予の特例)の認定申請と贈与税申告

本件で最も大きな課題だったのが、株式の承継に伴う税負担です。非上場株式の評価額が相当額にのぼっていたため、通常どおりに贈与すると多額の贈与税が発生する状況でした。

そこで活用したのが、非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予の特例(いわゆる「事業承継税制」)です。

具体的には、以下の手順で手続きを進めました。

  1. 特例承継計画の作成(当事務所が認定経営革新等支援機関として作成・確認)
  2. 行政庁(都道府県)への認定申請・認定取得
  3. 贈与税の申告における特例の適用

この制度を適用した結果、株式の贈与にかかる贈与税の納税が猶予され、継続的な届出と要件の充足が条件になりますが、実質的に税負担なく事業承継を完了することができる見込みとなりました。

事業承継税制を確実に適用するための3つのポイント

① 見落とせない要件を先回りして管理

事業承継税制は、活用できれば効果が非常に大きい制度ですが、その分、各段階に厳格な要件が設けられています。

本件で特に注意が必要だったのが、先代の社長とご子息が「共同代表取締役」の状態だったという点です。

事業承継税制の認定を受けるためには、先代が代表取締役を退任していることが要件のひとつです。すでに共同代表の形をとっていたものの、先代がまだ代表取締役として登記されている状態では認定を受けることができません。そのため、認定申請に先立ち、先代の代表取締役退任登記を確実に完了させました。

一見すると細かな手続きに思えるかもしれませんが、この一点を見落とすだけで、いくら計画書を作成しても認定自体が受けられないという事態になりかねません。要件の隅々まで把握し、先回りして手を打つこと。それが、この制度を確実に使いこなすためのポイントです。

② 法定期限の管理|期限を逃すと猶予されるはずの贈与税・相続税が課税される

事業承継税制は、手続きの各段階に法定の期限が定められています。たった一つの期限を逃しただけでも特例が適用できなくなり、本来猶予されるはずだった多額の贈与税・相続税がそのまま課税されてしまいます。

株式の生前贈与を行ったあとに「特例が使えなかった」という事態は、絶対に避けなければなりません。本件では、手続きの全体像を早い段階で整理し、すべてのデッドラインを一元管理しながら進行しました。

③弁護士×税理士のワンストップ対応|相談窓口をひとつに

事業承継では通常、弁護士・税理士・司法書士など複数の専門家が関与します。それぞれに別々の事務所に依頼すると、打ち合わせの調整だけでも大きな負担になりがちです。

本件では、ご相談の入り口から最終的な申告の完了まで、すべての手続きを当事務所が一貫して担当しました。

当事務所が一括対応した業務

  • 資産評価・税務設計(税理士として)
  • 承継スキームの法的整理・遺言作成(弁護士として)
  • 不動産登記(弁護士として)
  • 家族会議のファシリテーション
  • 事業承継税制の認定申請(認定支援機関として)
  • 贈与税申告(税理士として)

ご依頼者様は複数の専門家との窓口調整に手を煩わせることなく、ひとつの事務所に相談するだけで、すべての手続きが完結しました。

担当者からのコメント

事業承継税制は、うまく活用できれば非常に大きな節税効果が得られる制度です。しかしその分、要件の確認や期限の管理が複雑で、慎重な対応が求められます。特に「認定の要件を満たしているかどうか」は、会社の登記事項まで含めて一つひとつ丁寧に確認する必要があります。

本件を担当して改めて感じたのは、やはり専門家が早い段階から関与することの重要性です。「事業承継を考えているけれど、何から手をつければいいかわからない」という方は、まずはお気軽にご相談ください。一緒に最善の道筋を考えてまいります。

まとめ|事業承継税制の活用は専門家への早期相談がカギ

事業承継税制は、適切に活用すれば株式承継にかかる税負担を大幅に軽減できる非常に有効な制度です。ただし、厳格な期限管理・要件確認・各種申請が必要となるため、専門家のサポートなく独力で進めることには大きなリスクが伴います。

当事務所では、弁護士と税理士の両方の資格を持つ専門家が、税務申告から法的手続きまで一貫してサポートいたします。

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その場で依頼する必要はありません。一度お持ち帰り頂いて、じっくりご検討ください。

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